キューバで詐欺にあった筈なのに今でも信じられない話
9月15日から23日まで9日間、中高大一緒の友達(もはや家族)とメキシコ&キューバへ旅に出ていました。
行き帰りの飛行機で見かけたのは、学生、若しくは、職業=旅人な感じの輩ばかり。
社会人5年目にもなって計10日も休むなんて。
しかも、友達と3人でタイミングを合わせられるなんて、トンデモナイ奇跡です。
そんな奇跡から始まり、奇跡の連続で何とか帰ってこれたような波乱万丈な旅でした。
旅を計画するに当たって、キューバに関する日本語の情報がネット上に無さすぎたので、帰国したらビザの取り方やらなんやら、ブログに纏めようと思ってたんだけど、
それより前に記録しておきたいことが、出来てしまった。
キューバで出会った詐欺師について、です。
不思議なことに、未だに彼らを詐欺師と呼ぶことに違和感を感じる・・・くらい、詐欺に遭った実感が無いのです。笑
これまで散々旅をしてきて一度も詐欺や犯罪に逢うことが無かった私ですが、
ここにきて、言葉の通じるスペイン語圏で、詐欺(?)に遭いました。
何が起きたか書く前に、この違和感がどこからきているのか、考えてみたので先に纏めておきます。
1. 被害金額があまりにも少ない(合計1500円程度)
2. 詐欺師たちの話は基本的に事実で、それなりにっていうかかなり勉強になった
3. 教えてくれた連絡先(FB含む)が全て本物
4. 彼らと過ごした時間が結構楽しかった
・・・・やっぱり詐欺じゃなかったのかも?笑
いやいや、実際、お店より(ごく僅かに)高い物を買わされたのは事実だし。
こちらから頼んでもいないツアーにお金を払ったのも事実。
今後同じ目に遭う日本人が出てこない為に、また、自分の感じているこの違和感を書き記す為に、起きたことを纏めます。
⑴ (自称)ハバナ大学の学生 2名による、学割詐欺
ハバナ滞在三日目。
意味不明なこの国のシステムにも、道端で30秒毎に声を掛けられるのにも段々慣れてきた頃。
旅の疲れも見え始め、午前中歩き回ったら熱中症ぽくなり疲れ果ててしまった私たちは、
「ハバナ大学をさーっと見たらお昼にしようか」
と最後の力を振り絞り、大学へ。
すると、大学に入ろうとしていた黒人の(自称)学生2人が、
「University」と、大学の校舎を指差しながら言ってきた。
「あーそうだねーはいはい」といった感じでいつもの通り流したところ、
「Do you study here?(ここの学生?)」と聞かれたので、違うと説明。
彼ら2人のうち1人はIsaac Guerraといい、ハバナ大学で歴史を専攻しているそう。自称22歳🙍🏾♂️
もう1人の名前は忘れてしまったけど、リュックを背負って如何にも学生って感じの身なりをした細身の黒人さんで、スペイン語しか話せない。自称24歳🙍🏿♂️
授業まで時間があるというので、大学について色々教えて貰うことに。
これがまた、大変ためになった。
入口の柱の意味、銅像の人物・ポーズの意味、建物の歴史、壁の色が意味するもの、
何年に建てられて、革命時にチェゲバラ達が校舎のどこで何を行ったか、海外学生の数、人種差別の歴史等。
今になって冷静に考えると、彼らはちょっと詳しすぎた。笑
そんじょそこらのツアーガイドよりも詳しく、質問にもめちゃくちゃ丁寧に答えてくれて、
軽く1時間半は使ってくれたんじゃ無いかなと思う。
熱中症になりそうだったことも忘れて、夢中で話を聞いていた。
ひと通りまわったところで、
「El Negron(ネグロン)って飲み物を知ってるか」と聞かれ、知らないと答えた。
黒人を意味するHONEY(蜂蜜)と白人を意味するレモンが入った、モヒートによく似た飲み物らしい。
※Negroはスペイン語で黒を意味する
近くのバーにあるから、時間があれば一緒に行こうとのことだったので、
連れて行ってもらった。
El Bodegon de Theodoroという名前のバー。
出てきた飲み物に使われているラムの話になった。
Legendario(レジェンダリオ)の7年もの。
本来は25CUC(2500円位)のものが、学割で10CUCで買えるらしい。
「へぇーそれはいいねー」と話は流れた、かと思いきや。
2人のうち22歳のIsaccの方が消えて、5分後に袋にそのLegendarioとCohibaの葉巻(5本入)を人数分抱えて帰ってきた。
学割をきかせて買ってきたとのこと。
その時の私たちは、既にかなりの恩を感じていたので、
「え、わざわざ買いに行ってくれたの!?なんて親切な・・・!」
と感動。
ラムに10cuc、タバコに25cucをそれぞれ支払い、感謝の言葉を伝えた。
もちろんドリンク代も、4cuc/人ご馳走した。
連絡先を紙に書いて教えてくれた。
FBの名前、インスタグラムアカウント、Gmail。
帰り際、ランチのおすすめの場所を聞いたところ、とても美味しくてコスパの良いレストランに案内してくれ、その入口でバイバイ。
そこのランチが本当に美味しくて、私たちは相当満足して帰った。
以上が、1件目の詐欺。
今読み返すと、完全に怪しいんだけど、その時は気付かないもんなんですね🤷♀️
あと、事を複雑にしているのは、学割のくだり以外の情報は真実で非常にためになったし、感覚としてはツアーに安めのチップを払ったって感じの気持ち(未だに)なところ。
後から分かったこと・気づいた事
・ラムは6.5CUCで、タバコは20CUCで街で売ってる。(値差は計9CUC=1000円程度)
・FBの投稿(全てスペイン語)を見る限り、彼は結婚していて、働いている。(恐らく、この押し売りツアーガイドが彼の職業)
・大学の学生が、観光客向けの情報をあんなにスラスラと話せるわけがない。
・私たちは彼らが学割をきかせて買ってきてくれたと思い込んでいたが、その現場を一度も見ていない。
・本人たちにはあまり悪気はない。恐らく、観光客向けにツアーをしてあげて、少しチップを貰っている、程度の感覚でやっている。
・例え嘘をつかれようとも、キューバにはネットが無いので、その場で検索できない。
・ネットで日本語・英語・スペイン語でこのことを検索したところ、4ー5件同じような手口を発見したが、「多分少しボラれたんだろうけど楽しかったからいいや」といった感想も多く、彼らの手腕を絶賛したくなった👏
これだけで相当勉強になっています。
信じられないことに、同じ日に、もう1件、似たような詐欺に遭いました。
⑵ 障害者によるツアー押し売り詐欺
ランチを食べて気分最高、ただ、やはり体は限界だったので、タクシーを拾って帰ろうとしたところ、
左足の無い、明るい地元民に「Japanese?」と声を掛けられた。
無視して帰ろうとしたが、何故か引き留められ、「日本は最高だ!友達が沢山いる」という彼の嘘か本当かわからない話を聞く羽目に。
話がとても上手で、松葉杖をついていたので、何となく安心してしまい、まんまと近くの観光名所まで一緒に歩いてしまった。
彼の名前はArielといい、皆からはMorganと呼ばれているとのこと。
彼が連れて行ってくれたのは、Callejon de Hamel(カジェホン デ ハメル)。
またこれも複雑なのが、彼の説明は本当に完璧で日本でこれくらいのツアーをやってもらったら、グループでMIN 5000円は払うレベル感。
但し、先程の学生とは違い入りがやや強引だったので、終始警戒はしていた。
1時間位色々教えて貰ったあと、またNegron(ネグロン)の話に。
さっき飲んだからいい、と言ったところ、「ここのNegronが本物だ!!!!」と、半ば無理矢理バーへ。
これ飲んでさっさと帰ろうと思っていたところ、
別の地元民が現れ、キューバ音楽のCDを10cuc(1000円)で買ってくれないかという。
もうこの時点で確信。彼は詐欺師だ。
CDは断り、飲み物も、お酒が苦手ということもあったけど、何より不安に煽られて、トイレで吐いた。
時間を聞き、急いでいるといって、帰ろうとすると、タクシーを捕まえてくれた。
地元民らしく価格交渉もしてくれ、安くで連れて行ってもらえることに。
さぁ、帰ろうとしたところ、
「僕の家族のために、1人15cucチップをくれないか」
と直球でお願いしてきた。
正直、あのツアーの内容で15cuc/人は安すぎる。笑
でも、このやり方に腹が立ったので、「10cucは出す、それ以上は無理」と押し切った。
「あと5cucいいじゃないか」としつこかったが、全力で拒否した。
「ここまで案内してくれてありがとう、でも、こちらからお願いしたわけでは無いし、15cucも出す義理はない」と伝えた。
以上、2件目の詐欺でした。
2件目が終わったところで、内心1件目の詐欺にも勘づいていたので、
Wi-Fiスポットに行った時にラムとタバコの値段を調べたら、案の定の結果に。
いやはや、長々と書きましたが、とにかくこれからキューバに行く人は気をつけて。
本当に勉強になったし、キューバの社会主義が間も無く終わるであろうと確信した。
人々が、もっと儲けたい、いい暮らしをしたい、と思っている証拠だから。(金額が小さすぎるけど笑)
今回キューバに行ったのは2回目で、前回(5年前)との圧倒的な差を、ここに1番感じたのでした。
旅の美しい思い出はまた後で書きます。笑
では。